税理士になるのを諦めた理由①

 こんにちは。Hotateです。

 税理士になるのを諦めた理由を書きます。

顧客の数が重要

 税理士でそれなりの収益を得るためには、顧客の数が重要です。もちろん税理士報酬=単価を上げるのも収益アップには有効でしょう。ただ単価を上げれば、依頼主にとっては依頼するハードルも上がりますから、単価を上げるのはそれほど簡単な選択ではありません。税務調査において、税理士報酬額を目にする機会が度々ありましたが、それほど高い価格は目にしませんでした。私の主観ですが、法人メインであれば、少なくとも20件程度は顧問先を持つ必要があると思います。まず自分一人で税理士事務所を立ち上げて、首尾よく20件程度の顧問先を持つことができた場合、月に一回ずつ各社を回ると考えても、かなりの労力が要るように思われました。開業税理士が安定した収入を得るためには、顧問先の数を増やす必要があり、顧問先が増えれば忙しくなります。であれば、やりたいことをやるための経済的安定を得ようと開業税理士になり、それなりの経済的成功を収めようとすると、自分のやりたいことに使える時間はほとんど残らないだろうと思われました。

売上=収入ではない

 個人事業主の売上=収入ではありません。恥ずかしい話ですが、税務署で働くまで、しっかりと肌感覚で理解できていませんでした。開業税理士の場合、たとえ1000万円の売上があっても、サラリーマンとは異なり、消費税、事業税も払う必要があります。給与所得と異なり、給与所得控除も使えません。経費計上できるといっても、経費で払えば、使える現金は減ります。事務所を借りれば、住居用物件とは異なり、消費税が生じます。つまり、開業税理士として1000万円の売上があっても、サラリーマンの年収1000万円よりも、手取りは少ないのです。もちろん売上1000万円なら、悪くないと考えられるかもしれませんが、売上1000万円までも相応のプロセスを経る必要があり、簡単な道ではありません。それなら、現在公務員や会社員であれば、それなりに出世した方が割の良い商売となる可能性があります。

事務所の規模の拡大が必要

 先に挙げた2つの点を克服するために、単純かつ確実な方法は、顧客の獲得の努力を続けることです。とにかく売上を大きくするのです。この路線をとる場合、どこかの段階で、社員税理士や事務員を雇用する必要が生じます。私の考えでは、このモデルで事務所を運営するとなると、開業税理士はプレイヤーでありながらも、経営者的な要素が強く求められると思います。事務所を大きくしようとすると、税務会計の専門性云々の話では、必ずしもないのです。専門性に憧れて、税理士になっても、専門性だけでは大きな成功はないということです。また、ゼロベースで考えると、このような路線を行く場合、そもそも税理士よりも、単純に起業した方が良くないかという気がしてしまいます。コンサル業務等に取り組むとしても、顧客が税理士事務所に求める最も大きい仕事は、税務会計業務です。だいぶ限定的です。経営をしたいなら、起業した方が自由度が高いように思います。

 つらつら書いてしまいましたが、一言で言えば、結局は、そもそも漠然と考えていた私の税理士像について、具体的な現実とは乖離があったということに尽きるのかと思います。ただ私の想像との乖離を知るという観点からも、税理士を目指して、実際に動いてみて良かったです。いくら頭の中で考えていても、実際にやってみると、現実は違うということは沢山ありますから。それが早々に分かって良かったと、心から思います。

 それでは失礼します。

税理士試験独学部
この記事を書いた人
Hotate

独学で税理士試験5科目合格を目指している者。某公務員から税理士になろうと、公務員から公務員へと転職。中途採用で税務署職員となる。税務職員として、実際に多くの税理士を目の当たりにして、税理士になることを断念。2年税務署で働いてから、民間に転職。現在に至る。現在30代後半。税理士になることは諦めたが、過去の自分に区切りを付けるため、税理士試験に合格を目指している。Hotateは昔の飼い猫の名前。

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